お金のお話は重要なので、1つの章として取り上げました。
世の中で言われていること、例えば、総務省さん、経産省さんによる説明なんかでもそうなんですが、「SaaSは、初期コストが安い」というフレーズをよく耳にします。しかし、決して、「SaaSは、トータルコストが安い」とは言わないんですよね。
多分、SaaSを売る側も買う側も、ほとんどの人が心の中で、
「SaaSって、長い目で見たら割高なんじゃないの?」
と思っているんじゃないかと思います。
もちろんここまでお話したように、SaaSには、信頼性や柔軟性、そして、「ありがとうを頂くビジネス」といった良い点がたくさんあります。だから、「トータルコストがちょっと(?)高くてもいいじゃないか!」という意見もあるかも知れません。
でも、本当にSaaSは、従来ITよりもトータルコストが高くなるものなんでしょうか?
例えば従来の買取型システムの費用イメージは、
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導入時に大きな費用がかかって、
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何年かおきにバージョンアップでまたまとまった費用が必要になって、
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ただし、バージョンアップまでは特に費用が掛からない
といった感じだと思います。
それに対してSaaSでは、
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一定の料金をずっと払う
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最初は小さな額だけど・・・
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累積すると、だんだんだんだん大きな額になっていく
というのが費用のイメージだと思います。
だから、どうしても「SaaSって、長い目で見たら割高なんじゃないの?」ということになってしまうんだと思います。
で、「そんなことないですよ」っというのが私の考えです。
そして、「同じ条件で、真のトータルコストで比べてみましょうよ」というのが私からの提案です。
「同条件」というのは、例えば先ほどの信頼性や柔軟性といった点です。それから、「真のトータルコスト」というのは、なかなか難しいんですが、少し整理してみると、こんな感じです。
1. 想定外費用
SaaSでは、想定外の費用が突発的に発生するといったことがありません。例えば買い取ったシステムでは、やれハードディスクが故障した、ファンが壊れたといったような場合に、部品代や修理代などの費用が必要になるといった話がよくあります。
あるいは、最初に費用を払ったら、バージョンアップしない限りもうお金は掛からない、と思っていたら、見積書に異様に小さな字で「別途システム総額の12%が年間保守費用として必要」と書いてあった、など、採用時点では「結局全部でいくらかかるのか」が分かり難いということがよくあります。
SaaSでは、サーバーのハードウェアが故障したからと言って追加で費用を請求されるということは、私が知る限りは、まずあり得ないですし、また、別途で保守費用が必要となるというケースも希だと思います。
2. バージョンアップ費用
ではバージョンアップ費用はどうなっているか?実はSaaSでは、「バージョンアップは無償」となっているケースが多いんです。それはなぜかと言うと、お客様ごとに異なるバージョンのプログラムをシステム内に混在させておくより、全てのお客様に常に同じバージョンを利用して頂いている方が、SaaS事業者にとって都合がいいからなんです。
これに対して買取のシステムでは、バージョンアップは有償の場合が多いと思います。これは、SaaSに比べれば、システム会社にとって、各ユーザーの利用バージョンが一律に揃っていることの必要性があまり強くないからだと思うんですが、じゃあ、「うちはバージョンアップは必要ないよ」ということであれば、ずっとバージョンアップをしないでいられるかというと、なかなかそうは行きません。
ずっとバージョンアップしないでいたら、「バージョンアップしないともうメンテナンス出来ません」とか、「このバージョンが利用出来るOSはもう手に入らないので、サーバーが壊れたらもう復旧出来ません」といったことを言われた、という経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。
バージョンアップは、望む、望まないに関わらず、必要になるものなんだと思います。
3. 障害対応の人件費
システムにトラブルが発生して大騒ぎ。調査や復旧のために担当の方々が二日も三日も徹夜した。。。
こんなお話も、決して珍しくないのではないかと思います。さてその人件費、「システムのコスト」として認識されているでしょうか?
SaaSの場合は、サーバーのお守りは、当然、我々のようなSaaS事業者が行います。そもそもが専門スタッフによってしっかりと管理されているので、システム障害は比較的起こり難いし、起こったとしても被害を小さく納めることが出来る場合が多い。例えば私達の「バイバイ タイムカード」では、サーバーの内外で約20のロボットプログラムが動いていて、これらが常にシステムを監視しています。サーバーに異常な兆候があればすぐに担当者の携帯が鳴るようになっているので、問題を未然に防ぐことが出来ますし、また、問題が起こったとしても、迅速に原因を突き止め、対処することが出来るようになっています。
障害はそもそも起こり難い、そして、例え障害が起こったとしても、お客様のところで大きな人的コストが発生することはない。
買ってきたシステムは、なんだかんだ言って自社の人手が随分とかかるもの。システムのコストを考えるときには、こういった人件費を忘れてはいけないんですね。でも、SaaSであれば、忘れてしまっていいということなんです。
従来のITが安いのか、SaaSが安いのか、やっぱりこれは、ケースバイケースになるんで、「SaaSが安いです!」と宣言出来るわけではありません。でも同じように、「長い目で見たらSaaSは割高」と断定出来るわけでもありません。
だから逆に、
「長い目でみても、SaaSの方が安いことも、もちろんあるんですよ!」
っということが言えるんですね。
システムのお金は、是非、同じ条件で、そして、真のトータルコストで評価して頂ければと思います。